
一般財団法人日本青年館
月刊誌「社会教育」
近藤編集長 メ ッセージ
『社会教育』編集長の近藤真司です。5月号の特集は「社会教育事業開発の視点」です。 今月のことばでは、矢吹正徳さん(公益財団法人理想教育財団 理事)が、「無意識の思い込み アンコンシャス・バイアス」を寄稿しています。矢吹さんは長年、日本教育新聞社で記者として活躍され、取締役編集局長の後、社会活動に取り組むなか、内閣府男女共同参画局が製作、公開する「アンコンシャス・バイアス」と女子の理系進路をテーマとした動画を紹介しています。社会教育でも「アンコンシャス・バイアス」について保護者や地域住民の学習機会として、この研修動画の活用を提案しています。 続いて特集の1つ目として、小林孝之助さん(NPO法人自然体験活動推進協議会 理事)が「自然体験学習の事業開発」を寄稿しています。2000年3月に自然体験活動推進協議会が創設された経緯を1970年代から2000年にかけての「流れ」を振り返り、自然体験活動指導者養成事業の役割と研修課程について解説し、三段階の養成講習を持つ安全管理者養成事業の機能と役割について紹介しています。 「非認知能力」の向上に、自然体験活動が有用であり教育的意義が明らかになるなか、学校教育の自然体験活動の減少のなかで、子どもの成長に必要な一連のプログラムであるという理解を深めていくことの重要性を提案しています。 特集の2つ目として、株式会社コエルワが「教育会社の枠組みをこえてゆく『株式会社コエルワ』」について執筆し、新しい社会教育のかたち「まなび場」を提案しています。事業収益性と持続可能性についての両立を目指します。境界線を「コエル」ことを社名としています。 特集の3つ目として、公益財団法人パナソニック教育財団の子どもたちの“こころを育む活動”2024表彰式を取材し、その概要を報告しています。 特集の他には、独立行政法人国立青少年教育振興機構の活動紹介として、「『国立阿蘇青少年交流の家』と『阿蘇ジオパーク推進協議会』の連携」について、牛田卓也さん(国立阿蘇青少年交流の家 所長)と永田紘樹さん(阿蘇ジオパーク推進協議会 事務局長)が対談しています。共に創る社会教育の場をテーマに「ジュニアジオガイド講座」の連携、連携の波及、今後の展望について語り合っています。 新連載として、5月号から折原守さん((公財)日本レクリエーション協会常務理事)の「社会教育A,B,C ~ともに考える入門講座~」が始まります。新しく社会教育関連の職場に就いた方々が抱く「社会教育って何かよくわからない」といった疑問について一緒に考えていくことを目指しています。 2025年度が始まりました。社会教育事業開発について、まず「困っていること」を明らかすることから始めませんか。経験と学習成果の社会還元について一緒に考えていきましょう。
